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1日目の様子は先月号でお知らせいたしました。 今回は2、3日目をお知らせいたしましょう。
2日目は「保育の心得」という内容の講義から始まりました。今までの自分と正面から向き合い、今までの保育を見つめなおし、さらによい先生になりたい! という気持ちを、心の底から掘り起こすことがねらいでした。
なぜなら子供というのは、たとえこちらが準備不足だったとしても「先生、今日の保育、準備不足だね」などと、まさか自らの言葉では批判できるはずもなく、どんなに雑な保育をしようとも、一生懸命その先生の保育についていこうとする存在だからです。私はそんな子供たちと過ごしていることをいつも心に留め、「だからこそ、手を抜かず、自分に厳しく、子供を一人の人間として尊重し誠実でありたい!」と思っていました。そして、今回の参加者にも……。
そんな保育の本質に直接関係のある講義でした。講義修了後、参加者がどんな感想を持ち、決意をしてくれたのかがとても気になりましたが、それぞれの口からでた言葉は、
「自分は保育のプロとしての自覚が低かったことを知った。これからは自覚をもって行動したい」「人間関係も、クラスがまとまらないのも、すべて自分にあることを気づかされた」「今後は、前日に保育の準備をしっかりし子供の前に立ちたい」「子供に「待っててね」「あとでね」といったことは必ず守りたい」「絶対に、自分の感情を持ち込んで仕事をしないと誓った」
心の中で思わずガッツポーズを作りました!
でも、大切なことは、この気持の持続と行動の継続ですね! 一時の感情を口に出すのはたやすいですが、それを持続させるには、やはり強烈に「行動を伴う」ものがなければならないと思います。
3日目はいよいよ、今回のメインメニューの1つ「標高1000mの山登り」に挑戦です。
安全を期して小学校5年生が全員登るコースを選びましたが、岩登りじゃあないの? というほどの険しい山登りに挑戦しました。お天気も悪く今にも雨が降りそう…… 内心は中止を望んでいた先生もいたかもしれません。保育者の研修で、なんでこんな山を登るの? という気持ちだったり、はなから無理とあきらめていた方もいました。
でも、山から下りてくる先生方の実に爽やかなこと!! そして、登り終わった感想は、
「自分が恥ずかしかった」「自分自身にこんなにも頑張れる力があったんだと知った」「保育でもあきらめている自分がいることを、山登りを通して感じた」「なぜ、こんなことをしなければいけないの?と思いながら登っていたが、様々な山場を一つひとつ乗り越えることで気持ちが晴れ自信につながり達成感を感じることができた」「経験が無いから、恐いから、不安だからといつも逃げ道を探していた、諦めるのではなく挑戦する大切さをこの山登りで知った」「自分一人では登ることはできなかった。仲間の大切さを知った」
山登りってすごいですね!ただ登るだけなのに……。こんな感想を聞くことができるなんて……。
おそらく、ありのままの自分と向きあえる時間だったことと、あの自然の中に入り込むと、きっと自分が普段悩んでいることがとても小さく感じるのだと思います……。
このように、それぞれが本当に素直に自分と向き合い、感じ、吸収し学んでくれた2日間でした。
「最初はここに来るのがいやでした」「園長先生にいってきなさいといわれシブシブきました」といっていた参加者も、最終日には「帰りたくない!」「また来ます!」と。
そして、「やめたいな……」ともらしていた先生が、「子供にあいたくなっちゃった!」といってくれたときには、本当に嬉しかったです!
帰りの駅では、「この夏の最高の思い出です」といって号泣された先生もいました。見送る私も涙。
今でも「あなたなら大丈夫!さらに立派な保育者になれますよ!」とエールを送っている私です。
この合宿を通して、私自身も成長させていただきました。多くの方々に助けていただき実施することができたことに心から感謝でした!!
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子供のジッーと見つめるあの目、あの声に魅了され、幼児教育にのめりこみ、笑いあり、涙あり、失敗あり…たくさんの喜びと感動の保育者生活35年。
「私の師は子供です」と言い切れるほど、子供から、毎日たくさんのことを教えてもらいました。
この経験を今、現役で頑張っていらっしゃる保育者の皆さんに少しでもお伝えすることができたら嬉しいなと思っています。 |
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