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幼児期に大切にしたいことの一つに「自分で考える」ということがあげられると思います。
私も35年間現場、そのことはとても大切にしていました。
そして、その意味もわかっているつもりでした……。
少し前の出来事ですが、ある園に訪問したときのことです。
この園は「自分で考える」ことを園全体で大事に保育をしています。そこでのドッジボールを初めて指導する場面で、私はこの言葉の意味と再認識しました……。
「初ドッヂボール! ワクワク・ドキドキ!」
まずは、園庭にコートを書き、体操指導員が子供たちに手短にルールを説明し、ボール取りじゃんけんをして、ドッヂボールがスタートしました。
私の経験からは「こんな簡単な説明で、子供たち、ルールが理解できているのかな?」と心配と期待が……。
コートは最初から2面。自分たちのチームは? コートの意味は? はたして、わかっているのだろうか……。
ところが……。
楽しむだけではなく……。
外野に転がってきたボールを夢中で追いかけ……。ボールの取り合いになっても、いつまでも取り合いをせず、気持ちを次に切り替え……。ボールが外野に渡ると、さっと向きを変えてボールをとる体制を整える姿! 残った内野の人数で、勝負を予測し、発表があれば喜び、時には悔しがり……。
「本当に初めて(ドッヂボールが)?」と聞き返すほどでした。
ドッジボールを通じて、何をしたらよいかを考え行動する子供たちを見て、これこそ幼児期に育てておかなければいけないことなのではないかと痛感しました。
また、「自分で考える」ことの積み重ねで、理解力も同時に育つことに驚きでした!
自分で考えさせ、失敗の経験、思い通りにならない経験をたくさん積ませることが幼児期には必要なこと、それには、大人が、極力、口や手を出さず、見守る……。それが、あの短い説明だったのかと……。
そういった意味で、子育ては大人の鍛錬・修養の場でもあります。これからの保育者はこの辺を心して保育したいものですね。
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子供のジッーと見つめるあの目、あの声に魅了され、幼児教育にのめりこみ、笑いあり、涙あり、失敗あり…たくさんの喜びと感動の保育者生活35年。
「私の師は子供です」と言い切れるほど、子供から、毎日たくさんのことを教えてもらいました。
この経験を今、現役で頑張っていらっしゃる保育者の皆さんに少しでもお伝えすることができたら嬉しいなと思っています。 |
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