●私が保育者として30年間、心掛けてきたことは…!!(2009年6月)
 私は30年間保育者として保育の現場にいました。
 「私にとっての師は子供です」と言いきれるほど、子供たちからたくさんのことを学びました。
 失敗しても、子供たちは私を叱らず、いつも寛大な心で私を許してくれました。そして、時には慰められ、助けられ、子供の前に立てる勇気をもらい続けた、そんな30年でした。
 たくさんの楽しさ、喜び、感動も子供たちからもらいました。
 子供たちが、私を一人前の保育者に育ててくれました。

 そんな私が、30年間保育者として心がけていたことはたくさんありますが、特に大切にしていたことが3点あります。
 1)「園は、子供にとっても保育者にとっても楽しいところでありたい!」
 2)「クラスの子供が30人いたら30人が全員『先生は、私のことが一番好き!』と感じられる一人ひとりへの接し方・愛情のこもったかかわりを心がけたい!」
 3)「子供には誠実に接したい!」


■子供にとっても保育者にとっても楽しいところ…
   まずは、家にいるときと同じ笑顔、声がでているかが判断基準です。家庭訪問で見せてくれたあの笑顔、あの、大きな元気な声が園でも出せているか、このことに心を使いました。最初のころの家庭訪問は自分の事で精一杯でしたが、少し冷静になってきたら、子供の表情が良く見えてきました。
 ある意味当然、そしてある意味悔しいくらい、家庭での子供の表情は最高の笑顔でした。
 そこで、もし園で、家庭と同じ笑顔が出せていなかったら、徹底的に「受け入れる」ことに努めました。後からぎゅっと抱きしめて「大好き!」といってみたり、「すごい!! 先生にも教えて!!」「すごいなあ〜!! さすが!!」「いつでも味方だよ!!」と、心からの言葉をたくさん言いました。
 自分らしさが出せ、羽目がはずせるようになったらしめたもの!

■先生は私のことが一番好き!
 1クラスが30人もいますと、個人記録を書いていても「あれ? この子、今日何をしていたっけ…」「あ! 今日はこの子と一対一で話してないかも…」とペンが止まってしまい、猛反省!
 そこで、翌日には、密度の濃いかかわりで挽回。(みんな、ごめんね……また許してもらっちゃった(笑))
 常に、子供一人ひとりをしっかり見て、表情で、目で、そして言葉で「I LOVE YOU!」をたくさん、たくさん送りました。

■子供には誠実に…
 これは絶対に「嘘はつかない」ことでした。
 「先生、折り紙折って」「あとでね」比較的多く言ってしまう「あとでね」「待ってて」「これをしてからね」の言葉。子供は、いつまでも待っていてくれます。忙しくてなかなか約束が守れない場合は、事情を話して明日まで延ばしてもらうこともありました。
 そうそう、謝りの電話をいれたこともありました。ここでも猛反省!!
 やがて、子供は約束を守ってくれる人のいうことは良く聞くということも子供から教えてもらいました。

 「我以外皆我師」ですが、子供は私にとって永遠の先生です!

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FUTO
 子供のジッーと見つめるあの目、あの声に魅了され、幼児教育にのめりこみ、笑いあり、涙あり、失敗あり…たくさんの喜びと感動の保育者生活35年。
 「私の師は子供です」と言い切れるほど、子供から、毎日たくさんのことを教えてもらいました。
 この経験を今、現役で頑張っていらっしゃる保育者の皆さんに少しでもお伝えすることができたら嬉しいなと思っています。
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