●人間関係のコツ…それは…。悩んだ末に学んだことです。(2009年5月)
 その園が大好きで大好きで、毎日、本気で通っていました。もちろん、設置者でも園長でもないのにまるで“自分の園”のようなつもりで働いていました。
「大変ですよね…」「去年と同じでいいのではないですか…」という言動に対しては、それではいけないことを言い続けてきました。
 気になる職員の身だしなみ、子供への気になる対応なども直接、本人に注意してきました。
 保護者から意見を言われる前に、内部の人間で改善できることは改善したい! 少しでも質の高い園になりたい! と思ったからです。
 常に前向きで、自分に厳しく、誠実に働いてくれる職員は園の宝でした。

 この園は、数年間周期で園長が変わる園でしたので、いろいろ経験をさせて頂きました。
 今までの保育の流れを継承していく園長。就任早々精力的に改革をし“自分のカラーを出す”ことに着手する園長。しかも、殆どの園長は、幼児教育が初めてのことが多かったので、トイレに時間がかかりすぎる……、並ぶのにせっせと並ばない……、といわれるたびに「子供というものは……」という説明をしなければいけない苦労はちょっとありました。

 ただし、『園長は決定する人、主任は園長の考えを一番理解し、職員に実行させる人』ということを、研修等で耳にたこができるほど聞いていましたので、「わかってる」「わかっている」(やっている、やっている)と思っていました。そんなとき、ある研修会でもう一度同じ言葉を聞きました。何度も何度も聞いていたはずなのに、今回は、なぜか私の心の中にグサッと入って来たのです。理由は正直分かりません……。

 園長の指示に対して、本当に素直に「はい」と従っていただろうか…。
 園長に信頼される主任だったろうか…。

 そう思ったとき涙が溢れ抑えることができませんでした。
 そのときです! どの園長にも“こんなに良い主任はいないと、絶対に言わせたい!!”と決意したのは。

 まず行動に移したのは、指示に対して「はい!」の返事の徹底でした。とにかく「はい!」でした。「えっ?」と思ってもまず「はい!」でした。
 次に、報告と相談の徹底。これはパーフェクトに近い徹底を心がけました。
 したがって会話の量、これが飛躍的に増えていきました。それまでとは比べものにならないくらい増えていきました。
 その結果、一番理解できたことはトップの立場でした。重責を担っている園長の立場です。私は、一番の理解者になれたと自負しました! しかし、ここまでの道のりは、とても、時間がかかりました…。

 縁あって一緒に働くようになった仲間、そして園長です。嘆いていても始まりません。責めていても始まりません。
 人間関係のコツは、まずは自分を振り返り、未熟さを知り反省することだ、と、その時、学びました。

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FUTO
 子供のジッーと見つめるあの目、あの声に魅了され、幼児教育にのめりこみ、笑いあり、涙あり、失敗あり…たくさんの喜びと感動の保育者生活35年。
 「私の師は子供です」と言い切れるほど、子供から、毎日たくさんのことを教えてもらいました。
 この経験を今、現役で頑張っていらっしゃる保育者の皆さんに少しでもお伝えすることができたら嬉しいなと思っています。
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