●楽しいお泊まり保育のためのあの手、この手。(2008年7月)
 早くも7月になりました。そして7月といえばお泊まり保育! 園によっては、年中さんや年少さんから参加するところもあるようですね。どこかの施設を借りてお泊り保育をする園もあるでしょうし、園のホールにみんなで雑魚寝、という園もあるでしょう。飯ごう炊飯あり、キャンプファイヤーあり、花火あり、肝試しあり…… いろいろ楽しい企画をお考えのことでしょう。
 このお泊り保育のねらいは、子供の自立心を育てるということです。でも、子供はもちろん保護者も楽しみの中にも不安であることは間違いなしです。 
 おねしょは大丈夫だろうか、荷物の始末はできるだろうか、まだ1人で泊まった事がないので大丈夫だろうか等々心配は尽きないと思います。
 それらの心配を解消するために、ぜひ保護者と話し合う機会、又は面談をお勧めいたします。
 ポイントは、保護者を安心させることです! 保護者の気持ちが子供に伝わりますから、まずは保護者を安心させましょう。夜は必ず保育者が交替で起きていること、トイレに起こすこと、毎年全員が「もう一つとまりたーい!」っていうほど楽しい数日間であること、そしてこんなことをします、あんなこともします。保育者が“もう楽しくて仕方ない!”という顔でできるだけ具体的に説明するほど安心させることができます。
 お泊り保育当日は、子供のテンションは最高潮に達します! 怪我のないように細心の注意を払って下さい。そして、だんだん薄暗くなると、子供はホームシックにかかりやすくなります。ちょっとしたことで泣いたり、気持ちが不安定になります。いつもよりしっかり子供の様子を観察しましょう。ハイテンションの子には、「ふざけていると怪我するよ」とちょっと注意を、 不安定な子には「大丈夫?」なんて声をかけると張りつめていたものが一気に崩れ、泣き出すこともありますから、そっと手をつないだり、不安そうなまなざしと目があったら、「大丈夫だよ、先生がいるから」という意味をこめて、二コッと笑顔で返したり、また、なるべく側にいるように配慮しましょう。
 お風呂に行くのにタオルが見つからない… 普段なら「先生、タオルがないの」といえる子も気持ちが不安定なときは、些細なことをきっかけにしてメソメソが始まるということがあります。子供が安心して楽しいお泊り保育が過ごせるように環境を整えるのも保護者の役割。「ここに着替えを入れておくね」「歯ブラシはここね」といいながら一緒に楽しく荷つくりをしていただくように保護者に促してください。
 特におねしょの心配な子には、自信をつける最高のチャンス!危険な時間帯を保護者に聞き、必ずトイレに起こし、朝のさっぱりした目覚めを経験させて下さい。
 「あれ…ぬれて、い…なぃ…。ヤッター!」この経験が子供に自信をつけることでしょう。保育者の配慮で、ぜひ子供に自信と自立心を育ててやりましょう。
 十分な準備、安全に関しての事前調査、当日は常に人数確認、そして、当日の保護者の居場所又は連絡先を把握し、楽しいお泊り保育を行なって下さい。

 お泊まり保育から帰ってきた子供は、自信に満ち、ひとまわりもふた回りも大きくなっていること間違いなし、です!

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FUTO
 子供のジッーと見つめるあの目、あの声に魅了され、幼児教育にのめりこみ、笑いあり、涙あり、失敗あり…たくさんの喜びと感動の保育者生活35年。
 「私の師は子供です」と言い切れるほど、子供から、毎日たくさんのことを教えてもらいました。
 この経験を今、現役で頑張っていらっしゃる保育者の皆さんに少しでもお伝えすることができたら嬉しいなと思っています。
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