●視覚を上手に利用しよう(2004年9月)
今年の8月は、オリンピックですね!
日本選手の活躍は本当に誇らしく思い、感動ですね!
テレビで毎日見られる世界レベルの技は、保育室にどんな影響があるのでしょうか?
最近、全国各地で職員のセミナーや講演をしていて思うことがあります。
20代から30代の先生方は「ビジュアル世代」ということです。
文字から受ける情報よりも、映像から受ける情報の方に興味を持ち、イメージを持ちやすく、理解もしやすくなっていると感じることがよくあるからです。
これは、そのまま保育室のなかにも影響します。
今回のお話は、イメージを膨らませる読み聞かせとビデオのどちらがいいかということでありません。
このビジュアル世代の感覚は、間違いなく子どもにも影響していると思われるので、それを逆に利用したほうがいいのでは?という事例です。

私の少年時代にももちろんテレビはありましたし、大好きな野球もたくさん見ました。
ただ、今とは少し違うのは、テレビで見ることのできるチームが限られていたことです。
野球放送のほとんどが、セリーグ、しかも巨人戦だったと思います。
ビデオは、私の家庭にはありませんので、その放送時間に見ていなければ、あとで見ることはできませんでした。

しかし、現在はどうでしょうか?
野球だけで考えても、アテネオリンピックの長嶋ジャパン、セリーグ、パリーグ、そしてメジャーリーグといろんなものが見れるようになりました。
そして、ビデオ、DVDと半永久的に老化しない映像が残せます。
この映像が子どもの目にもどんどん入ってきます。そして色々な事をイメージさせます。
その子どもたちに、口で説明するだけでは何かを行動させようと思うとうまくいかない事もあるかもしれません。
私が体操を教えるときも、先に見本を見せたり、言葉と一緒に絵を書いたりしながら説明をすると、子どもたちの頭にはすんなり入るように感じることも多くあります。
これを家庭でもぜひ実践してみて下さい。
今まで、子どもだけにやらせていた事も、まずお父さん、お母さんが率先して見本を見せ、それからやらせてみるのもいい方法です。自分自身がやってみることで意外な発見をすることもあるかもしれません。また、分かってもらえなくて(どうしてできないんだと)イライラしないですむかもしれません。
子どもたちも、実際に見てからおこなうので自信を持ってできます。同時に、お父さんお母さんと自分の行動の違いに“やっぱり凄いな〜”と尊敬の眼差しが向けられるかもしれません。

未来のアスリートも、必ず家庭が出発点です。
ぜひ、「実際やって見せる→やらせてみる」を試してみてください。


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はっちゃんまん
 園と保護者と、園児の味方。
 北海道から沖縄まで全国の幼稚園・保育園を指導している。
1年間に飛行機に乗る回数は120回を超えるほど、日本中を移動。そんな中で「日記」を書いてくれています。
 理不尽なことが大嫌い。普段は「背広モード」か「体操モード」で元気で優しいが、あまりに理不尽なコトがあると「ファイヤーモード」に変身するらしい。
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