2023年度 園だより 

2023年度(令和5年度)の園だよりを掲載いたします。ぜひご覧ください。

3月1日  副園長 吉田 佳奈

  寒さの中にも、少しずつ春の暖かい日差しが感じられるようになったこの頃ですが、今年度も残りわずかとなりました。 この一年を振り返り、一人ひとり自分のペースで逞しく成長した姿に、嬉しさを感じております。

4月の頃は、「ボール当て」で、ボール拾い上げてしまっていたたんぽぽぐみさんでしたが、今ではすっかりルールを覚えて、ボールに当たらないように逃げられるようになりました。

 うめぐみさんは、下駄箱の靴を揃えるだけでなく、外遊びで山小屋の中に上がるときまできちんと脱いだ靴が整列するようになって微笑ましく、習慣が身についてきていますね。

 さくらぐみさんは、一人ひとりが縄跳びを跳べるようになったり、逆上がりができるようになってきました。 とある園児さんは「昨日逆上がりの練習を公園でして、できるようになったよ」と何度も先生に見せてくれました。

 まつぐみさんは、ヴァイオリンやピアノのおさらい会を通して、大勢の前で発表する勇気が身についてきています。 また、手先も繊細な作業ができるようになり、2月の始めにはお料理教室で包丁を使って具材を切りました。 先日は絵画の時間で鏡をよく見ながら自画像を描き上げましたが、自画像が勢揃いした様子は圧巻です。

 毎年のことながら、園児さんの確かな成長の速さを実感できる3月は、驚きと嬉しさで胸がいっぱいになります。

2月1日  園長 齊藤 昌子

 2月は立春の候と申しますが、園児さん達の元気は寒さ知らずで毎日活発な声をあげて園庭を走る姿が満ちています。
 3学期は昔から、1月は「行く」、2月は「逃げる」、3月は「去る」と言われているように、時日の流れが一段と速く感ずる季節でもあります。
先月はお一人お一人の面談をさせていただいたところ、園児さん達の園での様子とご家庭での様子との違いがわかる一時があり、先生方は大いに参考になったと申しておりました。
 保護者の方には、幼稚園での様子は「何も言ってくれないのでわからない…」とおっしゃる方もいますが、中にはしっかりと話してくれる人もいるようです。ある日「お母さん、ダルマ買って」と話す我が子に驚いたというお話を聞きました。この日は園でお絵描きの時間でダルマを描いたのですね。
 幼児は覚えたばかりの言葉を駆使して一生懸命、お母様お父様に園での楽しい出来事を伝えようといたしますが、それは自分が感じた楽しかった出来事を共有してもらいたいと思っています。その時の受け取り側として、どうぞお付き合いいただければと思います。ご家族それぞれが言いたいことをスムーズに受け取られ、愛ある「返し」の言葉がある。そんな毎日を送っていれば、間違いなく明るく闊達なお子さんになられることでしょう。つい多忙な日常の中で「あとでね」が続いたとしたら……。「どうせ聞いてくれない」とお子さんが思ってしまっては寂しいことですよね。適当な返しの言葉が見つからない時は、「よく言えたわね、楽しかったね」等と言って、お子様の感情に寄り添ってあげてくださいね。

1月1日  副園長 吉田 佳奈

 新年あけましておめでとうございます。新しい一年が、お子様にとって、また保護者の皆様にとって笑顔があふれる年になりますよう、お祈り申し上げます。
 さて、昨年末は数年ぶりに全クラス合同でのおゆうぎ会を無事開催することができました。例年、年少組さんは音楽劇、年中組さんはおゆうぎ、年長組さんはオペレッタを発表しておりますが、ここ数年はクラス毎での発表になっておりましたので、今年度のおゆうぎ会は特に保護者の皆様に目新しく映られたのではないかとご推察いたします。
 私達職員からも新鮮に映りましたのは、今年度より登場になりました2歳から満3歳児クラスのたんぽぽ組さんです。「この年齢のお子さんたちができるものは何かしら?」というところから検討し、普段の保育から馴染みのある曲でおゆうぎとお歌を発表することとなりましたが、どのお子さんも予想以上に元気よく、楽しく発表している姿に、皆相好を崩し安堵いたしました。
 そして何といっても、目を引きますのは年長組さんです。年長組さんは一人ひとりに台詞があり、劇中歌も発表しますので大変難しいことに挑戦しております。つい2週間前に行われたリハーサルでは緊張感で顔が強張っていたり、台詞が上手く客席まで届かなかったりしていました。しかし本番では、「ぼく・わたしをみて!」と言わんがばかりにどのお子さんも笑顔で堂々と演技をする姿は、感涙極まる大成功でした。
 いよいよ3学期が始まります。おゆうぎ会で得たこの自信が、進級・進学への確かな足掛かりとなることでしょう。

12月1日  園長 齊藤 昌子

 先月11月11日は、牟礼幼稚園の創立記念日でした。折しも土曜日でしたのでそのまま休園でしたが、例年当日を休園日とし、その前日には幼稚園のお誕生日として園児さんとお祝いいたします。今年も職員の方々が豪華な花籠をプレゼントして下さいまして、創立73周年を賑やかに飾っています。
 振り返れば七十数年前、日本はどこをみても元気な子どもたちで一杯でした。多くの各家庭には、お兄ちゃん、お姉ちゃん、そして赤ちゃんもいて、おじいちゃん、おばあちゃんも一緒に暮らしていました。家事に忙しい母親に代わって、お姉ちゃんが赤ちゃんをおんぶしながらも、缶蹴りをしたり、かくれんぼしたりと近所の子どもたちの逞しく輪の中へ加わっていました。
 ふと気付くと、現在そんな風景には久しくお目にかかってはいないなと思う世の中です。「少子化」という名の元に一くくりにするのは、あまりにも淋しいことです。
 幼稚園は時々、そのような異年齢での子どもたちの交流が生まれる様に、年長さんから年少さんまで縦割り保育を実施しています。すると園児さん達は、実の兄弟姉妹の様にお互いを思いやり、年長さんは口々に「可愛いい~~」と言いながら、年少さんの世話をします。ごく自然の流れで「兄弟姉妹愛」という雰囲気が流れています。73年の創立記念日に寄せて現代の流れの中で、幼児教育の重大さをまた一つ噛み締める思いです。
 牟礼幼稚園の保護者の方々の変わらぬご理解ご協力に感謝申し上げます。

11月1日  副園長 吉田 佳奈

 晴れが続き、さわやかで過ごしやすい日が続きます。園児さん達は深まる秋の中で園庭のどんぐり拾いに夢中です。

 さて、先月の秋の遠足では、井の頭自然文化園に行って参りました。園で習うお歌の中にはよく、タヌキやキツネ、そして「牟礼幼稚園の梅ちゃん」としても馴染みのあるウサギが出てきますが、実際にそれらの動物を間近に見る園児さんは興味津々でした。
 昼食場所になる広場に着き、荷物を下した後は、担任の先生から「のりもの券」をいただきます。その券を大事に握り締めて、乗り物の係の人に「おねがいします!」と元気よくご挨拶をします。牟礼幼稚園の園児さんは日頃から、先生方やお友達へのご挨拶は勿論、ご来園いただいたお客様に対しても、「こんにちは!」とご挨拶をしておりますので、こういった場面では日頃の牟礼幼稚園の園児さんらしさが見えますね。
 「乗り物」の後は各クラスで原っぱに円になるようにシートを敷いて、愛情いっぱいのお弁当とおやつを食べて、原っぱで遊んだり、サルやリス等の動物を見て回ったりしました。そして、帰りの際にも係の人に「ありがとうございました!」と大きな声でご挨拶ができました。大変楽しい遠足になりました。

10月1日  園長 齊藤 昌子

 仲秋の名月(9月29日)を間近に控え
幼稚園では盛んにお月様の歌を歌っています。

1. 出た出た 月が
まるいまるい まんまるい
盆のような 月が

2. 隠れた雲に
黒い黒い真っ黒い
墨(すみ)のような 雲に

3. また出た 月が
まるいまるい まんまるい
盆のような 月が

 昔から歌われている「月」(作曲者不詳、日本唱歌全集)の歌と同時に「十五夜さん」(宮道子作曲、天野蝶作詞)の歌も皆んな大好きな歌の一つです。園児さんたちは、年間の歌を通して季節を感じとっています。
 折しも、幼稚園の庭では「すすき」が穂をなびかせて出番を待っていてくれます。最近はなかなか自然を感じさせてあげることが難しいのですが、園庭の「クヌギの木」や「椎の木」は確実にドングリを落としてくれますし、中にはクヌギの丸いドングリと椎の細長いドングリを区別してポケットに入れている光景も見られます。そういえば、これらのドングリの木も、20年以上前に誰かがポケットに入れてきたドングリの一つがこんなにも大きくなったのです。

9月1日  副園長 吉田 佳奈

 暑い八月が終わり、いよいよ二学期が始まります。
日頃から掲げている牟礼幼稚園の保育目標を今一度思い浮かべてみますと、
まず園児さん達に「おはようございます」「こんにちは」を始めとする挨拶の徹底と、感謝の言葉である「ありがとうございます」を伝えることが真っ先に上がります。
夏休み前の終業式の日には、このご挨拶を忘れないように園児さん達とお約束いたしました。夏休みの間には親戚の方々とお会いする機会もあったかと思いますので、実践する場もできたことでしょう。
 「ちゃんとできたよ!」
 「おじいちゃんにいったー」
 「ちょっとわすれちゃった」
等と可愛いお返事が楽しみです。
 また二学期には、「体育参観日」のようなお友達と力を合わせて取り組む活動が多くあります。こうした活動の中で楽しく充実した時間を過ごし、一学期とはまた違った新たな発見が見られることでしょう。
 保護者の皆様と共に、園児さんたちの成長を支えていくことを心から楽しみにしております。どうぞよろしくお願い申し上げます。

7月1日  園長 齊藤 昌子

 6月は「父の日」というのがありまして、園児さん達は、それぞれお父さんの顔を描き、プレゼントいたしました。
 5月の「母の日」に続いての作品なので、一層「力(りき)」が入りました。
一ヶ月の成果がしっかりと表れていましたね。
 どの作品もお父様の特徴をしっかりと捉えていて、楽しい表現になりました。
先生方は毎年のことですが、この一ヶ月の差が楽しくて仕方がありません。
 6月10日は父親参観日を開催いたしました。
各クラスでは折り紙製作やカスタネットのリズム打ち粘土あそび等を行っていましたが、温かな眼差しで一人一人の様子をご覧いただいておりました。
特に「粘土あそび」を取り入れたクラスは、お父様にも参加を呼びかけましたところ、大変盛り上がり、園児さんは大喜びでいつもより熱心に粘土に取り組んで楽しい作品が出来上がりました。
 私自身も遠い昔振り返った時、父が教えてくれたことは今も鮮明に思い出すことができる程、心に鮮明に刻み込まれています。
 普段と違う場面でのお父様との思い出は、将来大いに役立つ日がくることでしょう。お父様にとってもお子様とってもかけがえのない一時であったことを嬉しく存じています。


6月1日  副園長 吉田 佳奈

 5月8日(月)は、コロナ禍で3年間中止していた「一年生ご招待」を4年分まとめていたしました。
 受付には分厚い5センチほどの芳名帳が置いてあり、里帰りしてくれた卒園生の皆さんには、自分のお名前を書いてもらいます。
 これは記録のある限りでは昭和48年から続いていますので、中には親子2代・3代と牟礼幼稚園に通ってくださっている保護者の方のお名前もあるのではないでしょうか。
 その名簿は長らく、ひらがなのお名前が続いていますが、今年はピカピカのランドセルを背負った小学1年生だけでなく、すらっと背が伸びて大人びた様子の小学2年生、3年生、4年生まで、学年ごとに時間差を設けて勢揃いいたしましたので、漢字のお名前も並びました。
 学年ごとに30分程の短い時間ではありましたが、進学先の小学校の校歌を披露してもらったり、久方ぶりの園歌を合唱して「懐かしい!」と顔を綻ばせたり、楽しく和やかな時間を過ごしました。
 ご招待した方の中には遠方にお引越しされていた方もいたのですが、参加率はなんと95%以上でして、お迎えの保護者の方からは「みんな牟礼幼稚園が大好きなんですよ」と嬉しいお言葉をいただきました。
 私共としましては、毎年卒園式では「幼稚園で楽しかったことは忘れてもいいから、小学校で沢山のことを楽しく学んでほしい」という願いを込めて、卒園児さんを送り出しますけれど、それでもこのような形で卒園児さんの声を聞けるのは大変嬉しく、胸が熱くなりました。
 地域の方々に支えられている牟礼幼稚園を、大変親しく身近に感じた次第です。

 



5月1日  園長 齊藤 昌子

 園では新入園児さんはじめ、進級したクラスにもすっかり馴染んで、穏やかな日が続いています。
 ただ、人にはそれぞれ特色があり、仕事が得意な人やちょっとゆっくりだけれど時間をかけてこなしてゆくタイプの人があるのも事実です。そしてゆっくりタイプにはゆっくりのコースを造り、各人に合ったプログラムを作成するのも担任の先生方の工夫の賜物です。降園後はそれらの報告や相談で賑わいます。 毎年4月一杯は専ら年少組の声で賑わっていましたが(「ママがいいっ~~!!」等と涙ながらに訴えたり…etc.)、今年の年少組さんの立派さには驚かされるばかりです。朝の集会の際には、泣いている人がいないばかりか、一人でちゃんとお椅子に座ったり、「手あそび」を楽しんだりしています。実は、この現象は二歳・満三歳児クラスのたんぽぽ組の存在が大きいのです。
 昨秋から開設したたんぽぽ組ですが、4月から入会したばかりの小さな人たちが、毎朝の集会にしっかりついて来てくれています。すると、年長組も年中組もそして年少組も自然と背筋が伸びて立派なお兄さん・お姉さんの顔をみせてくれます。これが幼稚園という団体生活ならではの学びなのだと感じています。
 一人ではなく、皆で一緒だからできる成長なのでしょう。そして先生方もしっかりと出来た人を見逃さずに「〇〇ちゃん、姿勢がいいですね」「△△さんも立派」等と褒めてあげます。そんなやり取りが各クラスで飛び交っているのが幼稚園です。

 



4月1日  園長 齊藤 昌子

  春らしく穏やかな気候に心和む季節となりました。ご入園、ご進級まことにおめでとうございます。
 これから始める牟礼幼稚園生活が、園児さんにとって楽しいことで一杯の、明るい毎日であるように、心を込めて計画を立てております。
 さて、今春はWBCで日本が世界一の野球チームとなり、その大会でMVPを取った大谷選手の話題で持ちきりとなったことは記憶に新しいですね。若い人の息吹を感じさせる熱い勢いは世界を魅了いたしました。野球をよく知らない私までもが毎回テレビを点けて試合に見入っていました。準々決勝のイタリア戦で、もう一つホームランを!と期待した私たちに、大谷選手は自分の記録を捨ててバントを選び、日本チームの得点に貢献して、勝利に導きました。スーパースターが泥臭く点を取りに行く姿は、ホームランにも匹敵する程の感動がありましたね。
 今日までの選手たちの努力の積み重ねは、言うまでもありませんが、幼い頃から何十回何百回と練習を重ね身についているからこそ自然に身体が動いて、今何をすればいいのかが明確なのでしょう。
 このような感動を私達は人生の中で何回体験できるでしょうか?実は幼稚園ではこういった感動的な場面が毎日あちこちで生まれるのです。
「あのお子さんが?」
「昨日までできなかったことが、今日はできるようになりました」
「何回も何回も鉄棒にとりついていた〇〇ちゃんが、やっと逆上がりをできるようになったんです」
こんな会話が間もなく、毎日のように聞こえてくるはずです。このような日々の感動を保護者の皆様と一緒に共有する場が幼稚園なのです。お楽しみに。