2021年度 園だより



3月1日 園長 齊藤昌子

 1 月はいく (行く)、2 月はにげる (逃げる)、3 月はさる (去る) と言われてますが、とうとうのそ 3 月を迎えてしまいました。
 振り返るとこの 2 年間程、時日に追われたことはないと言っても過言ではないといえましょう。
 そんな中で園児さんたちの成長は待った無しです。各ご家庭でご両親の元、温かく育たれていたお子様たちが幼稚園という社会の中に入り、自分以外の人たちと接し、意識し、そしてその人たちの心をも思いやれるようになり、優しさとなって身についています。
 年少組さんは、たった一年で自分のことは自分で出来るようになり、糊やハサミを自在に扱えるようになりました。
 年中組さんの人を想う心は、団体ゲームの中にも発揮されていましたね。「先頭の A ちゃん!ぜったい勝ってね」と心から願って参加しています。
 年長組さんになると個人という個性の確立となり、「自分」は「自分」をきちんと意識し、お料理教室では高度な包丁使いにも挑戦し、自信を深めました。
 70 年以上も続けて来た牟礼幼稚園ですが基本を大切に、その年齢に合った教材を組み合わせてカリキュラムに組み込んでいますが、その全てをやり切った時が今の達成感に通じます。
 そして今、「3 月」を送り出すに当たって、懐かしいお一人、お一人の 3 年前、2 年前、そして 1 年前の姿を思い起こしながら、この御子様たちに幸あれ!と願わずにはいられません。


2月1日 園長 齊藤昌子

 二月は園児さんがが進学・進級に向かって尚一層張り切る時期です。
 この機会に是非ご家庭でも生活習慣の見直しをしてみましょう。

 年長さんは、毎日の予定に合わせて持ち物が変わりますが、火曜日はスイミングですから水着を始め、タオルやビニール袋等こまごまと取り揃えなければなりません。
 雨が降りそうな日であれば、スイミングに出発する直前に先生は 「カッパ入ってますか?」と声を掛けますが、
その時、
「はーあい、入っています」という人と
「…………?」の人がいます。
それは、自分で持ち物をチェックした人と、そうでない人の差ですね。

 持ち物の準備は前日に自分でチェックする習慣を身につけてみましょう。
年少・年中さんも保護者の皆様と一緒にチェックの習慣を作ってみてくださいね。


1月1日 園長 齊藤昌子

 皆様、あけましておめでとうございます。今年も昨年と同様、どうぞよろしくお願い申し上げます。
 幼稚園生活の目標の一つに、団体生活に馴染むことがあります。
今まで、温かいご家庭の中で文字通り「御子様専一」に見守られて育って来た環境から、幼稚園生活に入ると一挙にこれまで、知らなかった世界が繰り広げられています。
 例えば、お水が飲みたくなった時、ご家庭ではどうだったでしょうか?
お遊びの最中でもお母さんの顔を見上げただけで、ごく自然に「あら、喉が渇いたのね?」「はい、どうぞ」と優しいお母様はさっさとコップのお水を差しだして下さるでしょう。ご本人は黙って美味しそうにお水を飲み干し、又お遊びの続きへと入っていく光景が、ごく自然に浮かんで来ます。
 さて、幼稚園でのその場面を再現してみましょう。「お水が飲みたいな」と思った A ちゃんは先生の所へ行って「おみず…」と言いました。すると先生は「お水ですね。お水がどうしたの?」と尋ねます。すると A ちゃんは、「お水がのみたい」と今度ははっきり答えることができました。A ちゃんは先生から「はい、よく言えましたね」と褒められニコニコ顔でお水を飲むことができて、めでたしめでたし。と、幼稚園では一事が万事この調子で先生の根気と愛情で社会の規律を一つずつ覚えていきます。


12月1日 園長 齊藤昌子 

 先日三鷹市長河村孝氏より三鷹市市制施行 70 周年にあたり感謝状を賜りました。折しも牟礼幼稚園は三鷹市と共に昨年 70 周年を迎えたところでしたので、大変嬉しく存じます。
 今まで、東京私立幼稚園連合、都知事、消防署等、各省庁より表彰状を賜ったことはございましたが、「感謝状」というのは初めてのことでしたので、殊の外嬉しく光栄に存じました。

 牟礼幼稚園としては、改めて 70 周年を創設者の思いと共に幼児教育の大切さ一筋に、今日まで歩んで来ましたことを思い起こし、感慨無量でございます。そして創設者の思いを繋いで来て良かった!と思える瞬間でもございました。こちらこそありがとうございます。
 そして、これからも又、営々と幼児教育に身を捧げることをお誓いする縁にいたしましょう。

 


11月1日 園長 齊藤昌子

 先月は園初めての試みであるハロウィンパーティを開きました。
毎年秋と言えば遠足ですが、コロナ禍の現状で、どの施設も人数制限をしており、断念せざるを得ませんでした。その中で、先生方と知恵を出し合って計画したのがハロウィンパーティでした。
 ハロウィンの習慣は紀元前のケルト民族まで遡ります。古代ケルトでは、11 月 1 日が新年なので、前夜の 10 月 31 日から、秋の収穫物を集めた盛大なお祭りが開かれました。またこの日には、先祖の霊が戻ってくるとも信じられていました。日本でいえば「大みそか」「秋祭り」「お盆」が一度に来るようなものだったそうです。ハロウィンの日には先祖の霊だけでなく、悪魔や魔女などもやって来ますので、人々はそれらと同じ仮装をして仲間だと思わせ身を守りました。現代ではその仮装も、マンガのキャラクター等多岐に渡るイベントになっているのは皆さんもご存じの通りです。
 園では、カボチャのカバンのランタンを持った園児さんが、スタンプラリー形式で各部屋を回り、「トリックオアトリート」と声高に言いながらお菓子を貰いました。園児さんは、それぞれ保護者雅の工夫によって、思い思いの仮装で登園されましたので、朝集会は華やいだ雰囲気でニコニコ笑顔に溢れました。「魔女」「鬼滅の刃の炭治郎」「海賊」「ドラキュラ」「ポリス」等、何の仮装をしているのか聞くと、園長に報告してくれました。ひと時の間、特別な夢の世界に入り込んだ様子で楽しゅうございました。


10月1日 副園長 石和佳代 

 牟礼幼稚園のシンボルツリーの一本にクヌギの木があります。
 これは 30 年ほど前の遠足の時に井の頭公園で拾ってきたドングリの実の一つが大きくなったものです。今年も沢山の実をつけて園児さんたちの遊びのお相手をしてくれています。
 真夏の朝にはカブトムシやセミも地中から登って来ますし、豊かな葉っぱは木陰となり園庭一面を覆って、まるで午後の遊びのお手伝いになってくれているかの様です。
 大きな樹木は幼児教育にとっては必需品とも言えるものです。
 年少の一人が、「この木おっきいねぇ」とつぶやいて、見上げているその一瞬だけでも、自然を感じる機会となりますし、年中・年長の人たちは、図鑑を広げ、ふっくらとしたドングリとちょっと細身のドングリとを見比べて、「マテバシイ?」「コナラ?」「クヌギかな?」と親しんでいます。
 短時間ではありましたが、分散型の体育参観日も無事終わりました。これからは本格的な秋の季節に向かい、ますます活発な成長を見せてくれることでしょう。楽しみですね。


9月1日 園長 齊藤昌子 

 長い夏休みが終わって、いよいよ二学期が始まります。
 「はやく幼稚園に来たかったんだ」と目を輝かせて登園してくる園児さん達を迎え、担任は勿論、全職員一同こんな嬉しい一瞬はありません。どのお顔も逞しく引き締まっていますね。
 例年であれば、海や山へと行った夏休みの思い出を語らう場面も多い一日であったかと思いますが、コロナ禍の現状では夏休みはお家で過ごされた時間が長かったことと思います。しかし「子どもは遊びの天才」です。
 大人が窮屈に感じている中でも、全力で遊びを見つけては楽しむことができます。そんな子どもたちの天才っぷりに負けてはいられないと私達職員も、必ずより良い方策がある筈と二学期の楽しい行事を園児さんの目線に合わせて計画しています。お楽しみに!
 当園でも手洗い、うがい、マスクの徹底をお願いしていますが、引き続きご家庭でのご協力をお願いいたします。全員でこの山を乗り越えることといたしましょう。



7月1日 園長 齊藤昌子

 幼児教育の目標は、勿論園児達が自立できるよう補助することです。
 園では年児に合わせて、ものの考え方、言葉の使い方、手足の動きなどを遊びながら身につくよう心がけています。三歳くらいになれば、ゆっくり手順をつけて教えれば、自分でボタンの留め外しができるようになります。
はじめは時間もかかり不器用ですが、ゆっくり見守ってあげてください。
 朝登園してくる園児さんのカバンをお母様が持ってきて下さる方がいらっしゃると思いますが、お家を出るところから自分の荷物は自分で持つことをお子様とお約束してみてください。
 自立心を育てる良い機会ですので、お母様はカバン持ちになってはいけません。知識は一夜でも覚えますが、良い習慣は一夜では身につきません。
 毎日の繰り返しですから、大人がつい手をだしてしまってはもったいない時間になります。
 無意識のうちに可愛い我が子のためと思って手を出すのではなく、根気強く「可愛い子には旅をさせ」てみましょう。


6月1日 園長 齊藤昌子 

 ご縁あって 2 月の梅の花いっぱいに咲く他の幼稚園から貰われて来たウサギの「梅ちゃん」が牟礼幼稚園のメンバーになって 3 ヶ月経ちました。

710g だった体重が 1600g と倍以上になり、人間で言えば中学生になったところだそうです。その為か毎日元気そのもので、サークル内をぐるぐるとうさぎ跳びで走ったり、時には 50cm もあるサークルをピョーンと飛び越えたりしますので油断ができません。

 月曜出勤の梅ちゃんは、園児さんたちの人気者で園児さんたちの可愛いお手手からおやつを貰うのが大好きです。
 「あ、食べてくれた」「これも食べて」とお当番の園児さんがおやつを食べさせます。動物は、餌やりが基本なので食べる方も食べさせる方も瞬間的に信頼関係が築けて仲良くなりますね。

 目下東京では、コロナ禍で動物園も水族館も閉館しているので、子供たちは本物の動物に触れる機会が極端に少なくなっている現状ですが、そこをこの「梅ちゃん」がしっかりと補ってくれていると思います。園児さんからはまるでアイドルのような人気者で大活躍しています。



5月1日 園長 齊藤昌子 

 4 月入園の日から早一か月が過ぎようとしています。園児さんたちは毎日張り切って登園し、早くも初めての社会生活に馴染んでいる人もたくさんいます。
 園では先生方もふんだんに誉め言葉を使い一人一人に声掛けしていますので、彼方此方で面白い場面が生じています。

「A 子ちゃん、お帰りのお支度が早く出来ましたね。カッコいいー!」

という先生の声に、

「先生、カッコいいーじゃなくて、カワイイでしょ?」と反論しました。

周りの人たちも納得顔で気持ち応援しています。先生も思わず言い直し、

「う~~ん。そうだね、A 子ちゃんカワイイね!」

ご当人は大満足でスカートをヒラッとさせて走り去りました。
 「Kawaii (カワイイ)」という言葉は、"21 世紀に入って世界に最も広まった日本語" と言われるほど世界各国で共通語として使われているそうですね。日常の誉め言葉での「カッコいい」も最近思えたばかりの私には日本語の変容の速さに驚かされますが、子どもさん達は敏感に言葉の持つニュアンスを読んで、その上を行っています。
 毎日、何かしらの不思議発見を体験しながらの日々を、普通に過ごせる有難さをしみじみ感じつつ、幸せを謳歌しております。


4月1日 園長 齊藤昌子

 うららかな春の日差しが心地よいこのごろ、ご入園、ご進級誠におめでとうございます。園児さんたちは真新しい名札を付け、ニコニコと誇らしげに登園してきました。お父様お母様方もさぞこの日を、首を長くしてお待ちになっていらっしゃったことでしょう。
 保護者の皆様には御子様にぜひ、

 「今日は一日、幼稚園に行けてえらかったね」

と褒めてあげてください。ご両親からの褒め言葉は、何よりもの成長のエネルギーとなります。
 幼稚園でも先生方は園児さんの一歩一歩の成長を、目敏く見つけては「すごいね」「がんばったね」と声を掛けていくものですから、御子さんは「今日はいい日だなあ」と思うでしょう。
 勿論、このエネルギーは明日に続きますので、一層張り切って幼稚園に向かうことでしょう。
 こんな日を毎日繰り返す人とそうでない人の成長幅を考えればいうまでもありません。さあ、お父様お母様もやることいっぱいですね。
 お互いにやる気を起こす日となるか。
やり方次第だと思われませんか?私たちは日々忘れっぽいものですから、時々はその当たり前のことを繰り返しおさらいする必要があります。
今年一年、どうぞよろしくご協力くださいませ。