2020年度 園だより



3月1日 園長 齊藤昌子

 当園がヴァイオリンのお稽古を取り入れるようになって早や十年となりました。指導者の荒井智子先生によりますと、「この十年間、牟礼幼稚園への指導が楽しくて来ていましたよ。園児さんたちのやる気が漲っているのがわかりますので---」と仰って下さいますのを真正面に受けて、私も「また来年もやるぞー」と思ってしまいます。

 振り返りますと、いつも決まって週一回のお稽古の時には園庭で遊ぶ年少、年中さんたちが窓に貼り付いて見ています。中には担任の先生が「一緒に遊ぼうよ」とでも声を掛けると、人差し指を口に当てて「シーッ」と言葉を制してお部屋の中の音楽を聴こうとしている人もいるのだそうです。そうして「僕たちもヴァイオリンはやくやりたいなあ」と呟いている姿があります。そんな年少、年中さんの姿に押されるように、年長さんは今年も「メリーさんのひつじ」から「きらきら星」まで五曲もの演奏を全員がこなしました。特に「きらきら星」は十三人ずつで演奏できましたのは圧巻でしたね。

 思い返せば、このお稽古を始めるにあたっての説明会を開いたときに、智子先生のお仲間のプロの演奏者を招いて、ヴァイオリン、チェロ、ピアノのアンサンブルコンサートを開いて下さいました。そして折しも起きた東日本大震災の義援金として、保護者の方々からの申し出もあり、日本赤十字社を通じて被災地へ寄付されましたことを覚えております。

 園児さんが音楽好きになっているのは、毎朝の音楽鑑賞も基礎になっているのと同時にヴァイオリンのお稽古が大いに役立っているのかと思うと嬉しさで一杯です。


2月1日 園長 齊藤昌子

 日本での新型コロナウイルスが発生して一年になりました。
この一年間、一日一日を見えない新型コロナウイルスに脅えながら、牟礼幼稚園も 4 月 5 日の全国一斉休園を経て、6 月から休むことなく慎重にカリキュラムをこなして来ました。今まで経験したことのないニュースの連続で戸惑いもありましたが、幸いなことに私たちは少々の修正をしながら日常を乗り切っております。

 今日も穏やかな日差しの下で園庭での朝の集会を行いました。
準備運動の後に決まって全員走ります。約 5 分間の音楽が流れている間に園庭につくられたコースを走る日もあれば、段々と早いテンポになっていくリズムに合わせて園庭の端から端までを往復する「シャトルラン」の日もあります。どちらも 1 回約 200 ~ 300 メートル走っています。今日はそのシャトルランの日でしたが、担任の先生方は各個人の様子を綿密に記録しておりまして、頃合いをみてストップをかけます。そうして一人ずつ抜けていきますが、シャトルの音楽が 160 回目を数えたときに、最後まで残ったのは、まつ組の女の子でした。締めのご挨拶の時には、皆やる気満々で「明日も走るぞー」と言っています。

 この冬、確実に脚力がついていることを保証いたします。
目下、日常にお歌が歌えない分、脚の発達に目を向けて新しい生活を営んでおります。日々の園児さんたちの園での成長ぶりをお見せできない昨今ですが、どうぞご安心をと申し上げます。


1月1日 園長 齊藤昌子

 新年明けましておめでとうございます。
 昨年は例年になく数々の変形の行事を行って参りましたが、保護者の皆々様のご協力をいただき、無事に過ごさせていただきました。
ありがとうございます。今年も又、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 さて、二学期の最大の行事は、おゆうぎ会でしたが、どのクラスも一生懸命に取り組んで大成功に収めましたね。時節柄、毎月の参観日も出来なかっただけに、御子様方の成長振りが著しかったことと存じます。
「いつの間にここまで?」と驚かれる声を沢山聞かせていただきました。
時として、毎日保育をしている私たちでさえ驚くほどの変化がみられる事があります。お父様お母様に観ていただいた本番当日には、今まで見たことがない程、上手に台詞が言えたり、踊れたりするのです。
 文字通り初舞台を踏んだ年少さんや、まるでテレビタレントさんかと思える程ちょっと澄ました年中さん、そして淀みなく台詞をこなした年長さん達を思い浮かべると、「みんなありがとう!」と思わずにはいられません。
 そして三学期になれば、一歩も二歩も前進したクラス全体が次のステップを目指すことになります。これからの成長ぶりが益々楽しみですね。


12月1日 園長 齊藤昌子

 毎月のように繰り返されている新型コロナ禍のお話で心苦しいのですが、当園も「新しい生活」の一貫として、今年初めての試みをしたものがあります。それは、祖父母様ご招待日に代わり、園児さんが御祖父様、御祖母様にお手紙を出したことです。
 A4 の紙いっばいに、思い思いの心を込めて文字や絵をかいてお出ししました。すると、園にも喜びのお返事を届けてくださった方や、「思いがけなかったので、本当にびっくりしました」とお電話をくださった方もあり、こちらも喜びに包まれました。
 日頃、なかなかお孫さんの姿を見ることができなかった遠くにお住まいの方もあり、この企画について職員一同「よかったね」と話し合ったものです。
 一方、ヴァイオリンのお稽古やスイミング、体操等、技術面の進歩も著しく、コツコツと成果を上げています。
 12 月のおゆうぎ会等も「DVD」を活用して、普段お見せできない分も含めてお楽しみいただければと考えております。
 皆様方のご協力に感謝しつつ目下、各クラス共に励んでおります。


11月2日 園長 齊藤昌子

 錦秋の候となりました。今年は特に大自然の恵みに感謝すると共に、人間の思う様にならないもどかしさも味わっております。その中で園児さんの元気さは益々盛んで、知識欲満載の毎日であります。
 毎朝、全国揃っての「おはようございます」から始まり、次に「今日は 11 月 2 日です。月曜日。お天気は晴れです」と壁のカレンダーを見ながら全員で唱和いたします。
 10 月は 10 月 1 日の中秋の名月に始まりましたが、生憎の雨模様でまんまるお月様が見られませんでした。暫くして晴天の夜、三日月さんが見られましたので「昨晩お月様見た人は?」と尋ねると「ハーイ」と勢いよく手が上がり、「細長くてバナナみたいだった-」という人が…。そして 10 月の終わり頃、もう一度尋ねると「半分だった~」と少し太くなった半月のお月様を眺めていた人が複数いました。間もなく期待通りにまん丸お月様を見ることになるでしよう。こうして、少しずつ天体の不思議を身近に感じている模様です。
 秋の割には晴天が少ないですが、却って晴れる日の楽しみが待ち遠しい限りですね。
 そしてもう一つ、「お天気は晴れです」の時は窓から入ってくる日差しが盛夏の頃に比べて、ぐーんと長くなりました。これも毎日の楽しみの一つですが、12 月の冬至の頃になるとお部屋の中央にまでお日様が達する筈なのです。そんな自然の不思議に、様々なことに興味津々な毎日を送っている園児さんの目は、より一層輝いています。


10月2日 園長 齊藤昌子 

 9 月 19 日(土)、クラス毎の分散での体育参観日を行いました。
 当園では毎月必ず参観日を設けていたのですが、今年は情勢により丸ごとなかったので、進級以来、入園以来、なんと 5 ヶ月振りの参観になりました。その為、園児さんたちの成長振りには目を見張るものがありましたね。保護者の方から「ワアァ、いつの間にかここまでやれるの?」という声も聞かれました。

 初めに 9 時からはさくら組でしたが、圧巻は体操の先生指導の椅子体操でした。いつもすぐ椅子から転げ落ちてしまうので「やんないよ」と言っていた人が立派にやりました。落ちないでポーズを決めたのです。
今日はどうしたの?と思ってしまい涙がこみ上げる位の感動でした。

 次の 10 時からのクラスはうめ組ですが、かけっこ、玉入れと順調にすすみ、保護者競技の盛況のあとは、おゆうぎ「パプリカ」でした。
オレンジ色の花飾りをつけた両手を目一杯伸ばして踊る姿に、会場は満面の笑みと拍手に溢れました。

 11 時からのクラスはまつ組でした。「星!」という体操の先生の声と共に、5 つの星型が園庭に浮かび上がったリボン体操は圧巻でした。実は長い練習期間のうちで全部そろったのはほんの数回のことでした。
 そして体育参観のメインと言えば、やはりリレーです。紅白それぞれ日頃の練習以上に張り切りました。会場は大変に盛り上がり、アンカーがゴール目前で転んだ時には、思わず落胆のどよめきに変わりました。
「よくやったー!」「がんばったねー」の拍手と声援の中、悔し涙にくれた選手の顔とお母様方の涙が印象的でした。

 百年に一度といわれる困難の中ですが、これからも園で結束して保護者の皆様にお喜び頂けるよう工夫して参ります。そして色々とご協力をありがとうございました。


 

9月1日 園長 齊藤昌子

 今年の夏は、新型コロナ感染症の影響を受けて、昨日 8 月 31 日に一学期の終業式を終える特別な夏でした。4 月、5 月の自粛に加え、毎月恒例の保護者参観もなく、園児さんたちの成長の姿を見ていただくチャンスがあまりにもないので、新しい生活を工夫しなくてはと考えました。

 先達 (7 月) の盆踊りの時にも羽切写真館にお願いして写真と動画を撮っていただいたところ、思いの外よく映っていて感心しました。
 皆さまのご協力を感謝いたします。

 大人たちの心配は他所に、園児さんたちの成長は止まることを知らず日に日に知恵を増して賢くなっています。
 きちんと手洗いうがいをし、マスクを上手にかけて規則正しい生活を心掛けるようになりました。
 人間より歴史の長いウイルスには謙虚になるしかありませんね。

 健気な子ども達の素直さに思わず衿を正す思いにもなる日々です。


8月1日 園長 齊藤昌子

 新しい生活の仕方を模索しながらの 7 月でしたけれど、4 月・5 月・6 月分のお誕生会も無事にお祝いできましたし、恒例の盆踊りも楽しんで優雅に踊ることができました。

 尤も、例年のように保護者の方々の参観はなかったので、ちょっぴり淋しかったことは否めません。

 或るお母様のお話では「食べることに一生懸命になってお料理に励み、一日 5 食も食べちゃいました」と少し丸くなったお子さんを眺めて笑っていらっしゃいました。

 それぞれのご家庭での工夫がおありのことと思いますが、兎に角どのお子さんも元気で何よりです。

 そんな中でも幼稚園での毎日は楽しいことがいっぱいです。
各クラスでは、それぞれ各人の目標を立てて丸型のシールの張り付けを楽しみにしています。ちなみにお誕生会の日に年長さんに
 「これから頑張りたいことは何ですか?」
とインタビューしたところ、
 「なわとび 50 回です」
と答えてくれました。これからの成長が楽しみですね。


7月1日 園長 齊藤昌子

 4 月 8 日に入園式をし、そのまま自粛生活に入りましたので、ようやく 7 月になって通常保育に戻りましたものの、いつもなら 4 月の 1 週間の内にみられる光景が、いま盛んに起こっています。
 うめ組さんたちの登園風景ですが、お母様と離れ際の一巡の手続きです。
「お母さんがいいっ!」と泣き叫ぶ人や先生に捕まらないように園庭を走る人たちもいます。先生たちは慣れていますので追いかけないですが様子は見ています。そのうち皆で行動することになったり、お部屋の移動をしたりする時には、さっと察して自ら輪の中に入ってくる賢い人たちなのです。
 勿論「お母さんがいいっ!」は律儀なお母様へのアピールですから可愛いですね。
 振り返ってみると 6 月の分散登園では良いこともありました。クラスを分けて色々な先生方に担当していただいたので、全園児さんが全部の先生とより親しくなれたことです。園児さんの個性を伸ばし、磨きをかける作業のためには、大切な期間でもありました。
 幼稚園では一人一人の個性に応じて、世界一大好きなお母様の愛情に匹敵する程魅力的なカリキュラムを用意していると自負しておりますので、いつの間にか自然にクラスに溶け込んでくれる日が近いのは勿論ですよ。
ご安心ください。


4月7日 園長 齊藤昌子

 「『不要不急』の用事では、外出をしないでください。」
と総理大臣や都知事のお言葉です。
 普段耳慣れない言葉が全国を飛び交っております。
 桜の花の咲く頃には、新入園児・新入生として毎日楽しい幼稚園に通う筈でしたのに、今年はそうはいかないのです。
 日本だけでなく、世界の国々で起こっている新型コロナウイルスは依然猛威を振るっています。皆さんどんなにご心配なことでしょう。
 幼稚園の先生方も、一日でも早く、いつものように楽しくてワクワクするような日々を園児さんたちと創って行きたいと願っておりますが、少しの間辛抱しましょうね。
 その間のお約束は、
 手洗いうがいをしっかりいたしましょう。
 ごはんの時には「いただきます」の挨拶をして、
「よーく噛めよ食べ物を 噛めよ 噛めよ 噛めよ 噛めよ 食べ物を」
の歌のようにしっかり噛んで食べましょう。朝ごはんも晩御飯もですよ。
 そうするとお顔も引き締まって必ず良い子になることができます。
 次に皆さんにお会いする頃には、きっと幼稚園の園庭には元気にこいのぼりが泳いでいることでしょう。楽しみですね。