2014年度 園だより



3月2日 園長 齊藤昌子

 今年は 65 周年になる牟礼幼稚園ですが、先達て、30 周年記念祝賀会での、保護者代表「祝辞」の記録を読み返す機会がありまして、その一部をご紹介いたします。

 「私が、この幼稚園に入園させて非常に良かったと思っていることの一つに、この幼稚園の目的は子どもたちの自立ということが挙げられている。その自立ということは非常に大切で、幼稚園の頃から幼稚園で心掛けているということは有難くて、親の方も自立をしなければいけないと思って私共の家庭でも、目的の一つに致したいと思っております。
 そしてもう一つは、色々な行事の中でも盆踊りです。園児が、みんな浴衣を着て、庭で盆踊りを踊るのです。それは私共の現実社会に於いて非常に忘れられようとしている季節感だと思っています。でなければ、浴衣も着せないで終わりそうな家庭ですが、幼稚園が自らそういうことをして下さるという事は子どもたちに浴衣を着せられる有難さを感じております。
 この様な素晴らしい幼稚園に在園できたことを想い、たくましく生きていって欲しいと思います。最後にこの幼稚園を支えて下さっている皆様、内から支えて下さっている皆様に感謝致しまして私の言葉とさせて頂きます。」

 幼稚園としては当然のことを普通にしてきただけと思っていましたが、一つ一つを有難いこと (有り得ないこと) と感じて下さる保護者の方々の感性こそが、ひしひしと身に迫って来ました。
 こちらこそ今尚継承し続けられることへの感謝が一杯でございます。


2月2日 園主 原 篤子

 「月日のたつのは、はやいもの」とは、よく言われていますが、子供の頃は、特に、あっと思う間にお正月は終わったものです。

 早朝 4 時頃に、家族揃って、八幡さまに、お参りに行きました。電車はありましたが、30 分くらいかけて歩いて参けいしました。

 お正月、三が日は、よそゆきの着物を着せて貰い、新しいポックリをはいて、近所中をまわったものです。
 当時は、どこの家でも、玄関に名刺受けが、置いてありました。
 子供達は、その名刺受けに、そっと、自分の名刺を入れてくるのです。
 名刺は、子供用に 12 月中に、作って貰っていました。

 ご近所まわりが済むと、自由に遊ぶ時間になり、みんなであそびました。

 さて今年は、どんな事をしようかと、改めて考え、希望を持って、1 年をたのしく過ごしたいと思っています。


1月8日 園主 原 篤子

 新しい年を迎え、毎年のことながら今年の計画を考えます。きまって今年のやりたいことを沢山並べてみて張り切るのですが、盛り沢山すぎて実行不可能なことに気が付き、一つ二つと削って、結局、変わりばえしないことになってしまいます。

 そして、「大事なことは、いつの世にも大事であって、同じ事を繰り返して実行するのは、よいことでは」と自分を納得させて、園児と向き合うことになります。

 幼稚園の最終目標は、言うまでもなく、自立できることです。
 5 才児には、5 才児なりのこと、園服のボタンも自分でかけられるように、3 才児には、脱いだ園服の袖を表に返しておく、とか、年齢によって、目標が違います。

 あせらないで、ゆっくり考えることが大事です。


12月1日 園長 齊藤昌子

 11 月 11 日は、牟礼幼稚園の第 64 回目の創立記念日でした。
園主先生は、毎年お祝いの意味で園児さんたちのために、園庭で遊ぶ遊具を新調してきました。

 人気の筆頭は、20 年前に設置した、「ヘリコプター」です。
色を塗り直したり、ガタツキを直したりを繰り返してきましたが、流石に老朽化してきましたので、思い切って、新しく「飛行機」を発注しました。11 月の大安の日に工事が始まります。
 ヘリコプターも飛行機も、大空を自由に飛びまわるイメージで、何とも心が躍りますね。 長年楽しませてくれた「ヘリコプター」には、なつかしさをもって「さよなら」をして、新しい「ヒコーキ」を迎えます。子どもたちも、さぞかし大きな夢をもって、乗りこなすことでしょう。 

 また、3 年前に施工した耐震工事は、園舎の構造部分でしたが、今回、非構造部分の耐震化のため、窓ガラスの飛散防止フィルムを交換いたしました。 園児さんの安全のためには、きりのないほどの対策が必要です。 少しずつでも、進歩と改善を目指して取り組んでいます。 創立記念日の事業として、以上二つの工事が無事に終了できましたことに感謝しています。


11月1日 園長 齊藤昌子

 毎月発行しているこの「園だより」ですが、中身が大変面白いのです。ホームページにはアップできませんが、当然各クラスの「クラスだより」には、日頃の生活そのものがエピソードとして記事になっていますので、楽しみいっぱいです。
 園だよりの主旨として、保護者の皆様が、常々、是非見てみたいと思っていらっしゃるところを、なるべくリアルに表現したいと各先生方は工夫をこらしているのです。その中の一部をご紹介しましょう。

 ある日の "電車ごっこ遊び" では、
「もしもしー」「はぁーい」「今どこ?」「西友だよ」
「OK、家ついたら電話してね」などと、ご家庭の雰囲気さながらの会話が繰り広げられ、つい笑いがこみあげます。
その時、担任の先生にも電話が...。
「もしもし、今何してるの?」と A ちゃんからの電話。
「寝てたよ。」と言うと、
「ちょっと、早寝早起きをしなさい。ご飯もしっかり食べてよね。そしたらお迎えにいくからね。」という返事に、思わず大笑い。

 又、ある日の年少児です。
B ちゃんが「先生できないよー!」と言っています。
「どうしたの?」と聞くと、「ボタンができない...」と園服が着られないようでした。
「一番上だけ閉めるから、あとは一人で頑張ってみてね」と伝えると、「えーっ!?」と言いながらも閉め始めます。

 このような園児と先生方の日常の関わりによる、園児さんたちの成長が幼稚園の宝なのです。


10月1日 園主 原 篤子 

 10 月の声を聞く頃には、園児のみなさんも落ち着いて言葉の内容をじっくり考えて、行動に移せるようになっています。
 まつぐみさんは、しっかりと内容を頭の中に入れて行動できるようになっています。
 さくらぐみさんも、話の内容を考えて動くことができます。
 うめぐみさん、ももぐみさんは、まつぐみ、さくらぐみのお兄さんお姉さんの動きを見て、共に行動しようと一生けんめいです。

 幼稚園としては、一年でもっとも落ち着いて充実した日々を送ることができる二学期は、一日と言えども、大切です。
"よい習慣" 考え方が身につくよう、遊びの中に取り入れてまいります。
 この時期、言葉づかいが乱暴だと、行動も乱暴になりがちです。
やさしく、正しい言葉を使って友達と遊ぶよう気をつけたいものです。

 子どもは王さまではありません。
 ご両親も、子どもの家来ではありません。
 言葉づかいや態度にもはっきり、けじめをつけて対応して下さるようお願いします。 


9月1日 園長 齊藤昌子

 今夏は、みな様、いかがお過ごしでしたでしょうか?
 幼稚園では今年も、いつもより一時間早い始業時間でみな様をお迎えしましたが、涼しい時間に集まって遊ぶことができてよかった!と思っております。
 「早寝・早起き・朝ごはん」は、子どもの成長にとって欠かせないものです。
 先達て、職員研修の講座の一つに、このテーマがありましたので、おしらせします。

 医学的な研究の結果でも、成長ホルモンに含まれるメラトニンという重要な成分はヒトの一生のうちで、0 ~ 7 歳までの期間にもっとも放出されるという事がわかっています。(以降は残念ながら減少する一方ですが...。)
 またそのメラトニンは、夜 10 時~午前 2 時までの間、体を休めている時に出ていますので、その時間に起きているという事は当然、放出されるべきものが出ず、ひいてはその後の成長に大きな影響を及ぼします。

 日本人は世界的に見ても、睡眠時間がダントツに少ない事も調査の結果でわかっています。睡眠不足になると、朝もなかなか起きられず、朝ごはんもきちんと食べられずに 1 日が始まってしまいます。
 子どもたちも大人と同じもので、睡眠不足に陥ると、ぼーっとしたり、イライラしたり落ち着かなくなったり...と気もちよく過ごせなくなってしまうものです。

 早めに寝て、たっぷり睡眠をとって早起き、そしてしっかり朝ごはんを食べることで、身体の体温も上がり、結果として 1 日を快適に過ごすことができるだけでなく、学習能力もあがります。(余談ですが、東大生のほとんどの方は幼いころから大人になる今でも、朝ごはんを欠かしている方がおられないそうですよ)
 子どもたちの健やかな成長と、毎日を楽しく過ごせるためにも、ご家庭でも寝る時間をしっかり決めたりして、「早寝・早起き・朝ごはん」をぜひ実践してみてください。


7月1日 園長 齊藤昌子

 先日、恒例の一年生招待日を開きました。
 2 ヶ月ぶりに会った卒園児さんは、見違えるほど背が伸びていました。みんなで輪になって、椅子に腰かけながらの第一声は、口々に「イス、チッチャ!」でした。

 それでも、一人ずつ自己紹介をしましたら、やはり、以前と同じで、ちょっぴり恥ずかしがりだった人は、そのまんまですし、活発そのものだった人は、益々、元気を出していました。

 それぞれに「得意のお勉強」を教えてくれました。
 中には、「何にも、ありませーん。」等とちゃっかり笑いをとる人もいて、大いに盛り上がりました。
 久しぶりに会えて、嬉しかったです。
 幼稚園で覚えたことが、どれだけ身についているかしらと考えるよりも、彼らの、成長の逞しさに頼るほかないように思えます。

 幼稚園は、いつも、一年生になった時に困らないようにと念じながら、カリキュラムを組んでいます。
 できるだけ多くの体験をしてもらいたいとも、考えています。
ですが、最優先すべきは、私たち大人の一言が、子供たちの伸びる芽を摘まないようにしなければ何にもならない、ということです。

 子供の、今あるそのままの姿を認めてあげることが、大切なのです。


6月1日 園主 原 篤子

 樹の皮をはがしてみると、さらさらの樹液が絶え間なく流れているのが見えます。
 初めて見たときは、感動しました。
 どのようにして、小枝の先まで栄養を送っているのかと思いました。

 一日一日と、力強く生き生きと茂っていく木の葉を眺めながら、自然界の偉大さを改めて考えました。
 あの一握りこぶし位の根っこから、天をつくほどの大木の枝の、端々の葉っぱの、一枚一枚にまできちんと樹液を送っている姿には、頭が下がる思いです。
 折れていない限り、どんな小枝の先までもきちんと栄養を送っているのです。

 人間も負けてはいられないと思いました。
たった、二、三人の我が子の隅々まで目が届いているでしょうか。
爪が伸び放題だったりする姿を見逃してはいないでしょうか。
 口は出す必要はありませんが、目は隅々まで行き届きたいものですね。

 怪我のないよう、一人前に育てるのは大変ですが、この世に生まれて、最大の使命だと思って育てたいものですね。


5月1日 園長 齊藤昌子

 幼稚園の八重桜が満開になる今頃は、私共保育者にとって毎日が喜びの連続です。
 なぜかというと、新入園児さんは元より、可愛い可愛いですが、進級した園児さんたちの目覚ましい成長ぶりが、見られるからです。
 一年前の、彼、彼女の姿が思い出されて、思わず微笑ましくなってしまいます。

 担任の先生に甘えることが、大好きだった A ちゃんが、三歳児の手を引いて、「すべり台は下から昇ると危ないよ」などと、教えている姿を見ると、「あの A ちゃんが!」 となる訳です。
「大丈夫だよ。すぐお母さん来るよ」 と、やさしく手を引きながら声をかけている場面や、かなり無口だった人が、活発に自ら進んで 「○○ちゃん!」 と、友だちを呼ぶ姿も見られます。

 また、お母様方も、園の決め事を良く守って、自転車を捨て、歩いて登園される方が多くなり、嬉しく思っています。
 園児と歩くと、通常 15 分の道のりでも、倍以上はかかることでしょう。
 特に赤ちゃん連れの方々には、頭が下がりますが、必ず「健脚」を手にしますので、ご協力ください。

 八重桜は、ソメイヨシノよりも、長く咲いていますので、しばらくは楽しめます。花が散って、葉っぱが茂る頃には、新入園児さんも全員、ニコニコ顔になるはずです。
 「子育てって、楽しいよね」 と思わずにはいられません。


4月7日 園長 齊藤昌子

 新年度を迎えました。
どことなく華やいだ雰囲気を感じているのは私だけではないと思います。
 幼稚園児の皆さま、お待ちどおさまでした。
 いよいよ幼稚園の始まりですね。園主先生をはじめ、先生方も、皆さまに会えるのを、本当に待っていました。

 さて新入生の皆さまも、今日からは牟礼幼稚園の園児さんです。
朝は 9 時から 9 時半までにカバンをロッカーに入れて、うわばきを履いたら、担任の先生と一緒にホールに集まるところから今日一日が始まります。

 このことを守ることが、幼稚園教育の第一歩ですが、何よりもご家庭の協力が必須です。
「時間を守る」「決め事を守る」のは牟礼幼稚園のモットーの一つです。
 このことは、在園児の皆さまが、良いお手本ですのでよろしくね!

 先生方は、今年度も工夫を凝らして、園児さんたちの成長を楽しみにカリキュラムを立てますので、保護者の皆さまのご協力をお願いいたします。