●こんなとき、どうしてますか?(2005年11月)
秋も深まってきました。
スポーツの秋、読書の秋、食欲の秋。。。。皆さんはどんな秋をお過ごしですか?
さて、今月は「こんなとき、どうしてますか?」です。
一緒に考えてみましょう。
『なにしてるの!』『どうしてそんな事するの!!』『いつも言っているでしょ!』
 この3つ、お母さんが子どもによく言う言葉です。これ言葉を聞くと、みなさんはどんな場面を思い浮かべますか?私がこの言葉を耳にするのは、子どもが何かに登った時によく聞きます。例えば、机や棚に登ったり、電車の椅子に登ったときなどです。その後は、少し怒ったお母さんが子どもをそこから降ろす場面まで想像できます。
 ところが、そんな対処をすると、その子どもはなぜか同じことをしてしまうことが多いのです。さて、皆さん、こんなとき、どうしてますか?

 はじめに、子どもが何で机に登るか考えたことありますか?
 机を汚すため、怒られるため、もしかすると嫌がらせ? どれも違います。
 答えは、ただ登りたかったから登っているのです。もしくは、お母さんや先生と同じ視点になって見たかったから、という単純なものなのです。
 ではそれに対してお母さんはどうすればいいと思いますか? 怒って子どもを降ろすだけでは同じことの繰り返し…… 私は、先日こんな対処をしてみました。

『あれ、机の上に登っているの? どうして登っているのかな?』
『だって、高いところから見てみたいからだよ』
『そうなんだ、どう良く見える』
『良く見えるよ!』
『でもね、そこは登るところじゃないんだよ。ご飯を食べたり、お絵かきをするところだよ』
『知ってるよ』
『ちゃんと知っているんだ。じゃあ、降りよう。そして、今度からは登らないようにしようね!』
『はい、わかった』


 こんなやり取りです。これなら気持ちの行き違いもありませんし、怒ることもありません。
 子どもも納得しているはずなのですぐには同じ行動はとらないでしょう。
 この対応、緊急時は使えませんが、普段のとき一度使ってみてください。

 ポイントは2つ
 1.その行動を受けいれてあげる。
 2.その上でルールを教える。




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はっちゃんまん
 園と保護者と、園児の味方。
 北海道から沖縄まで全国の幼稚園・保育園を指導している。
1年間に飛行機に乗る回数は120回を超えるほど、日本中を移動。そんな中で「日記」を書いてくれています。
 理不尽なことが大嫌い。普段は「背広モード」か「体操モード」で元気で優しいが、あまりに理不尽なコトがあると「ファイヤーモード」に変身するらしい。
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